イエローマジックオーケストラ ライブアット武道館1980
1980年の12月に行われたYMOの伝説の武道館音源がCD化されていた。
しかも、プレミアム価格になっていて、もはや定価で買えることはない。
ヤフオクで3000円で購入がやっと。
中学生時代にFM−NHKでオンエアされた時にカセットで録音して擦り切れるほど
聴きました。
その時の記憶では"在広東少年”がすごい印象的でもう一度聴きたいと思っていました。
まあ、この曲は矢野顕子だけど。
ライブのラストが”ALL Need Is Your Love~テクノポリス”への流れでそれがすごい印象的でもう一度聴きたかったんですが、
残念!!
”All Need IsYour Love"はカットされているし、テクノポリスはLAツアーの音源に
置き換えられている。武道館音源ではボルテージがマックスで”TOKIO”ではなくて
”東京”と叫ぶユキヒロが印象的だったんだけど。
改めて聴いて思った事は、”ライオットインラゴス””ナイスエイジ””シチズンズオブサイエンス”あたりがカッコいい。"ライディーン”もエネルギーいっぱいの演奏です。
武道館だけにワールドツアーの音源よりも観客の歓迎ムードがポジティブ。
当時の印象よりもロックバンド感がある。
”在広東少年”はこの頃のライブで聴くのが一番だということは確かだった。
ブレッド&バター Late Late Summer
1979年リリース。4年の沈黙を破って再デビューとなる代表作。
再デビューにあたっては、グループコンセプトを湘南にしぼり、
海、夏をイメージした曲が中心となり、従来持っていた透明感のある
ハーモニーと相俟って、不動の地位を築き上げるきっかけとなった。
このアルバムは全曲を細野晴臣が編曲であり、リズムオリエンテッド
な仕上がりです。ユーミンは3曲提供ですが1曲目の"あの頃のまま”
は、ブレバタの代表曲となりました。本当は入るはずだったという、
ステーヴィーワンダーからもらった曲”I Just Called To Say I Love You"
はユーミンの詩、細野の編曲でかなりの仕上がりだったようですが,色々
あってお蔵入り。もしもこの曲が入っていたらば日本を代表する
ロック&ポップスアルバムとしてもっと有名になっていたに違いない。
それを除いても良いアルバムです。メロディーとハーモニーが心地よく
このアルバムに影響を受けて湘南に住むようになったという人も多い
らしい。実はブレバタを初めて聴きました。
松任谷由実 紅雀
1978年3月リリース。 松任谷由実として初のアルバム。
1年半ぶりのアルバムということが大きく言われているようですが、
当時は1年半もブランクを明けるのは冒険だったのでしょう。
今なら3年ぶりなんてざらですが。
チャート2位。
ということはユーミンはもうニューミュージック界の女王としてその地位を
不動のものにしていたんですかね。
でも同時発売のシングル”ハルジョン ヒメジョン”がチャート80位止まり、
ということは、
”表舞台=お茶の間”との距離は持ちながらも、アルバムを買ってくれる顧客はしっかりと押さえていたんでしょう。
内容はオープニングからゆったり、しっとりしたテンポの”九月には帰らない”
で始まります。この曲のイメージが全体を包み込むような感じです。
そして名曲”ハルジョン ヒメジョン”へ。
最初のこの流れがこのアルバムのメインと言っていいです。
その後は、
アントニオ カルロス ジョビンやA&M系ポップスに影響を受けたような曲につながって行きます。1977年に加藤和彦や南佳孝がボサノバに影響を受けたアルバムを発表していますので、シティポップスが最もブラジル音楽に接近した時代。当然のごとくユーミンとそのプロダクションチームが影響を受けたのものと思えます。
私はユーミンの実物写真を、初めて見たのはこのアルバムジャケットの写真です。
12歳くらいだと思いますが、”ハルジョン ヒメジョン”ってなんだろうと思い、しかも
見た事ないような服を着ていて神秘的なオーラを持った写真だと思って非常に気になっていました。
36年が経ってやっとこのアルバムを聴く事となりました。
ユーミンアルバムの中で一番地味だという意見が多く、ユーミン自身も同じことを言っています。手触りはひこうき雲のような感じでセンチメンタルでノスタルジックなムードです。
キャッチーな売れ線メロディーだったり歌謡ポップス的な聴きやすい構成の曲やサウンドではありません。
そこがコアな人たちから指示される理由です。
メディアからは不評で売り上げ累計枚数も落ち込んだ事で年内に”流線形80”を慌ててリリースして”従来のユーミン”健在をアピール路線することとなります。
でもこのアルバムはブランク後に女王の地位を失うかもしれない状況の中であえてチャレンジしたのがすごいことでユーミンのクリエーションも溢れ出てくる時期だっと思います。そんな時期に出た奇跡の一枚です。
松任谷由実 OLIVE
1979年リリース。ユーミン7枚目のオリジナルアルバム。
ユーミンというアーティストを初めて知ったアルバム。当時中1。
このアルバム収録のシングル"帰愁”をラジオで聴いて気になりましたが、
インターネットもなくレコード店でレコードを聴かせてもらう勇気もなく、
只只、見かけた雑誌の情報源からどんなアーティストなのかを想像していました。
荒井由実と松任谷由実が同一人物だということも半年後にわかりました。
それほど当時の中1だった私の周辺にはまったくユーミンの情報はなくて
荒井由実と同一人物ということは母親から聴いてわかりました。
母親が意外にユーミンの事を知っていていろいろと聞きました。
この当時をユーミンは
”自分にとってスランプ時期・不遇時期”という事を話していた通りに
シングルヒットから見放されていてメディアへの露出もありませんでした。
そんな中で ”帰愁” はシングルヒットを狙った曲だったと思いますが、
タイアップも無く埋もれてしまったようです。
それでもこのアルバムはオリコンチャート5位にはなっています。
でもユーミンにとって納得できないのでしょう。
コーラスアレンジは山下達郎。
細野晴臣編曲がグルーヴィーな”冷たい雨”、多分、ドラムは高橋幸宏?
自殺をした女性をテーマにした ”ツバメのように” のギターはサンタナのような
ギター。今剛かな?
バックは当時の最高峰が固めている。
1979年の”OLIVEツアー”のバックバンドはブレイク前のスクエア(T-スクエア)を従えていたそうです。
ユーミン一押しのグループだったそう。
山下達郎 FOR YOU
1982年1月リリース
このアルバムは出てすぐにレンタルレコード屋さんで借りてカセットが
擦り切れるまで聴きました。
CMソングで"LOVE LAND ISLAND"が頻繁に流れていた中学卒業後の春休み。
やっと高校受験から解放されたそのときに
こんなに開放的で心が躍る曲を聴いたものだから、すぐにはまりました。
私の中では人生のベスト20に入るアルバムです。
(大滝詠一のロングバケーションもベスト20に入っています。)
早く大人になって車に乗ってカーオーディオでこのアルバムを聴きながら
伊豆の海に行きたいと夢を見ていました。
1曲目のSPARKLEのギターのイントロを聴いた瞬間はもう目の前には大きな
海がキラキラと広がり、大きな波が目の前にくるような光景が目に浮かびます。
MUSIC BOOK, MORNNG GROLY,FUTARI,YOUR EYESと名曲ぞろい。
達郎もこのアルバムにはかなり思い入れがあるようです。
“RIDE ON TIME"が売れてレコーディング予算、時間も大きくかけてもらえる
立場になって初めて理想的なアルバム作りができたそうです。
しかも前年に全国ツアーをバンドメンバーと長期にわたり行い、そのメンバーとレコーディングしたことでバンドサウンドと言っていい音になっているということです。
確かに本当にバックサウンドがダイナミックでかっこいいですよね。
アルバムジャケットも達郎のアルバムで初めていいジャケットと思えるものです。
鈴木英人さんのイラストがこのアルバムとぴったりあっている。ミラクルです。
明日から車で遠出です。海岸沿いを走るときはこのアルバムをかける予定。
それだけでワクワクします。
大滝詠一 イーチタイム
1984年リリース。
あの"A LONG VACATION"から3年後。
"EACH TIME"の時は邦楽に興味を失っていたから聴かなかった。
夏が似合わない人が日本人の夏の定番BGMとして崇拝される違和感。
別に夏のBGMの専門家ではない。
達郎も同様。
(以降、日焼けしたミュージシャンが現れ、夏サウンドを奏でることで
解決に向かっていく。)
このアルバムは流れとしては”ナイアガラトライアングルvol.2"が前に出ていたことで
存在が成り立つ。
"時計仕掛けのオレンジ"からここへの
”流れ”は線で繋がる。
ただ、ロングバケーションを越えられない。
だからこれ以降、
アルバム出せなくなるのも仕方ない。