軽音楽をあなたに

ジャンルにこだわることなくこれまで聞き逃してしまった音楽を改めて拾い上げる。抜けていたパズルのピースを埋めるような。

THE JAM Dig The New Breed


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 1982年リリース。前年に「The Gift」で初の全英1位となり、日本でもその知名度が上がり始めた時期でした。まさに人気が頂点に向かい始めたそんな時。
突然の解散発表でした。なぜ?という思いでした。
解散間際に出た最後のアルバムがこのライヴ「Dig The New Breed」
彼らからの最後のGiftでした。
圧巻は1曲の"in  the city"
1977年の音源で初期の疾走感がコンパイルされています。何度もリピートして聞いてしまいます。
ポールウェラーは、「30歳のジャムは考えられない。」ということで潔い解散を決めたということです。
この向こう見ずなギターのカッティングは、青春の疾走だったんですね。

  

オアシス/FAMILIAR TO MILLIONS

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 2000年に発売されたオアシスのライブです。

ベスト盤のような選曲と言われていますが、"モーニンググローリー”

が入っていないのは残念。でも”スタンドバイミー”が入っているから

良しとします。

 

挿入されたカバー曲では、

ニールヤングの" Hey、Hey、My、My ”はオアシスらしく、仕上がっていてGOOD!

この曲はニールヤングがピストルズのジョニーロットンに宛てた曲として有名です。

そんなストーリーのある曲を拾っているのも気になります。

 

このCDで印象に残るのは、

観衆のテンションの高さ。スタジアムで7万人ライブということもであります。

加えて国民的バンドが母国でやるライブということで聴衆の一体感がすごい。

曲のサビ部分では必ず大合唱になります。

 

もうひとつ印象に残るのは

ギャラガー兄の弾くギターの音色です。ナチュラルなオーバードライブは贅沢でハイグレードな余裕を感じます。機材の高級感によるものでしょうか。

ノイズも気持ちよく耳障りな感じがしません。

このハイソサエティ感はロックぽくない気もします。

 

この時代にロックを聴いている人はミドルエイジが中心だと思えば、

それでいいのかと納得します。

ロックのマーケットも10代〜20代ではなく、40代〜50代ということで心地良さやクラス感が必要ということでしょうか。

 

※個人的には再結成を一番願うバンドです。

 

 

オフコース OVER


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 1981年12月にリリース。前作"We are"と並ぶオフコースの最高傑作。
解散を示唆したタイトルから見える通り、鈴木の脱退意志をメンバーが知った上で作ったアルバムとなった。
そして翌年からはじまった"Overツアー"伝説の武道館10daysで、最終日の6月30日に事件は起きた。
小田が感極まり、歌えなくなったのである。
武道館10daysをやり遂げたことで歌えなくなったのではなくて、5人のオフコースの最後のステージになることがわかっていたから、涙で歌えなくなってしまったのである。
曲は"言葉にできない"
鈴木への思いがつまった曲。
ステージのスクリーンにはひまわり畑が写し出され、We are over,thank youと文字がうかびあがる。
オフコースが終わるんだとファンは何となく察した瞬間でした。
そんなストーリーを持ったアルバムだから、名作なんです。
せつなすぎる物語を持った傑作アルバム。
6月30日の"言葉にできない"のライヴもYOUTUBEで見ることができるので見てほしいです。
ジャパニーズポップスの歴史的瞬間でもあります。
アルバムの内容も簡単に触れますが、極上なジャパニーズAORです。
シティポップの連中とは違う角度から作ったAORです。


ラウドネス LVE-LOUD-ALIVE

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 ラウドネスの1983年のライブ盤、初期のラウドネスが詰まった1枚である。

ラウドネス以前の日本のロックと言えば、歌謡曲と変わらない編成だけがロックバンドを装ったものか、頑張っているけれどアンダーグランドシーン止まりのB級バンド、確かにロックだけど、多様化の結果として生まれたテクノバンドしかありませんでした。まして世界で通用するようなロックなんて生まれないだろうと思っていました。

そんな時に登場したラウドネス

ロックであり、洋楽のような本物主義と実力主義

全ロックファンが待っていた世界に通じる日本のロックが登場した瞬間でした。

1981年の高校生バンドのギター練習曲がディープパープルのスモーク・オン・ザ。ウォーターからラウドネスLOUDNESSに変わった年となり、ライトハンド奏法がブームとなりました。

ギターキッズはストラトキャスターレスポールのようなオールドなロックギターからフライングVエクスプローラーに持ち代えるようになったため、お茶の間では抱きかかえにくいギター練習となりました。(正座するとしっくりしましたが、フライングV、こたつ、正座というシュールな組み合わせはロックなのかという疑問はありました。)

そんなこんなで登場したこのCDですが、改めて聴くと感じる事は

二井原の声量の不足感です。ハイトーンの音色はかっこ良いのですが、

声量の無さは非常に気になります。でもやっぱり彼以上のラウドネスのボーカルは居ないでしょう。

高崎のギターテクニックは世界レベルであったことは確かです。メタリカに誘われていた時期もあったようですが、オジーオズボーンバンドの高崎なんて時代があったら見てみたいと思いました。

あとは曲の良さをとても感じます。ラウドネスの曲は30年経っても本当にいい曲であり続けていることを改めて感じました。

ライブCDの録音クオリティーだけは荒っぽくて気になりましが、インザミラーやラウドネスなどのキラーチェーンはぎりぎりのクオリティーを保っていてなんとか自分を納めることができました。

 

 

 

ラジ Heaat to heart

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1977年リリースの作品である。この年からシティポップスというJ-POPの新しい概念が生まれて成長をはじめる。それはロックやフォークのような衝動的な音楽であったり、カリスマ(偶像)的な崇拝対象を求めない音楽の形式であり、質を重視した作品を理論でアプローチするプロダクトチーム中心の音楽である。そんな作品を国内市場に根付かせようとする新しい音楽業界の動きが活発になり始めたのが1977年である。はっぴいえんど解散後にそんな市場を日本に作ろうとキャラメルママ〜ティンパンアレイが活動を開始していく。そしてその動きに対して加藤和彦サディスティックスムーンライダースが同方向に向いたベクトルで並行的な活動を行う。彼らの制作活動から生まれてきた、ユーミン南佳孝吉田美奈子シュガーベイブなどが少しずつ名前が知られるようになり、シティポップスと名のもとにカテゴライズされて消費者に分かりやすく伝わっていく。この新しい枠組みは産業として千金を生む出すのは1981年にリリースされた大瀧詠一ロングバケーション以降ではあるが、それよりも4年も前に起きた、この出来事は奇跡に近い完成度であり、全ての曲が珠玉の輝きを放っている。作品にクレジットされるメンバー群はゴージャスの極みでその後の日本ポップスを牽引するようなメンバーによって構成されている。まさに奇跡の一枚です。

ポールウェラー  ワイルドウッド


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 スタンリーロードは、出た当時から名盤と言われていたこともあり、すぐに入手してよく聴きました。20年経った今でも愛聴しています。そして年を重ねてわかったことは、聞き手がいろんな音楽を吸収した上でその深さがわかる、文脈のある音楽だと言う事がわかりました。ポールウェラーがどのようにしてこのスタイルにたどりついたのか。布石は前作にあると思って今さらながらワイルドウッドに遡ることにしました。そしてこのアルバムを入手へと至ったのです。ワイルドウッドとファーストアルバムとの違いはブレンダンリンチがコーディネートしたオーシャンカラーシーンのギタリストであるスティーヴクラドックが参加していること。スティーヴのギターの音色とフレーズのセンスは素晴らしく、彼こそウェラーの進むべき方向性をはっきりと定めた重要なキーパーソンだったのではと思います。ザクザクと骨太なギターはワイルドなだけでなく、一歩引きつつ、洒落たセンスをさりげなく披露する様はまさに英国紳士的で粋な振る舞いを感じます。スティーヴクラドッグの存在をしっかりと認識することができて彼にもとても興味を持ちました。そしてスタンリーロード〜ヘビーソウルと彼のギターはどんどんと音の要となっていきます。又、スタンリーロードではスタカン的なものはあまり感じられませんが、ワイルドウッドでは時折、スタカン風なフレーズやメロディも出てきています。そんなところもなんとなくいいです。ポールウェラーはやはりかっこいい。そしてこのアルバムジャケットもかっこいい。

はちみつぱい/センチメンタル通り

 

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 1973年リリース。邦楽ロックの名盤として名高いが、初めて聞くこととなる。最初に感じた事は"はっぴいえんど"の弟分にして意識としてはさらにいいアルバムを作ろうとしている事がわかります。ここで聞ける完成度の高さは恐るべき出来上がりです。バンドメンバーにバイオリン奏者、スチールペダルなどが加わるとバンドから楽団に出世して、サウンドスケールがぐっとあがります。エンジニアは、16チャンネルマルチミキシングの先駆者である吉野金次に依頼するとはっぴいえんどとかぶるため、あえて避けて梅津達男へ。

完成度でいえば、はっぴいえんどの風街ろまんに肩を並べるアルバムと言えます。鈴木慶一はっぴいえんどにサイドギタリストで参加したことが過去にあり、自分はパーマネントなメンバーになったと思っていたそうですが、バンド参加は、1回限りだったそうです。そんなことからも、鈴木慶一は、並々ならぬはっぴいえんどへの意識はかなりあったと思われます。さて、アルバムの中を構成している曲ですが、1曲目を飾る"塀の上から"。名曲からスタートします。
 これ以上にないくらいにゆるやかなグルーヴでなんというか不健康ではないアシッド感があります。ザバンドなどの影響を強く受け、”MUSIC FROM THE BIG PINK"のような厳かなムードが漂い、ファーストアルバムからすでにベテランの仕事をしているところはそれぞれのメンバーが色々なスタジオワークに参加してきたことでキャリアが培われているということの証といえます。やはり世間一般的に名盤と呼ばれて久しいものは
外れがないということは確かです。