佐藤奈々子 ファニーウォーキン
1977年リリース。佐藤奈々子のデビューアルバム。まずは1曲目”サブタレニアン二人ぼっぢが最大の聞きどころ。ジャパニーズシティポップ全開の洗練と心地良さ。奈々子の薄甘かすれウィスパリングの声は、生まれ持つ幸運。
まだ世に出ぬ佐野元春がほとんどを作曲のバックアップというのも凄い。
無名の学生、佐野にメジャーレコード会社が半プロデュースをさせるなんていい時代。
このアルバムは予想と違って、シティポップ全開ではなく、ラグタイムミュージック集のような感じ。ジャズブルースや佐野風ロックンロールなど。随所に佐野元春風味があります。
声がカイミカイリを連想させるからだけど、
奈々子のそれは、ニューヨークジャズハウス系のウィスパリングボイス。
ジョイディヴィジョン CLOSER
1980年5月にイアンカーティスは自殺し、追いかけるように7月にリリース。全英6位まで駆けあがった。当時はイアンの死を商売に利用したのではないかなどメディアから批判がでるくらいであった。ジャケットデザイン、アルバムタイトルも彼の死を連想させるものだった。
このアルバムは日本でも人気があり、リリースから数年経って不動のポジションを確立した。
早くからジョイディヴィジョンは日本で人気があった。
この暗さをロックの表現として認識した日本のリスナーはやはり優秀なロックの理解者であるとつくづく思います。
絶望感や孤独、死をここまで表現したロックがなかったから新しい表現だった。
そしてその表現はポストパンクにふさわしかったし、新しいことに寛容的でしかも、求められていた時代だけにヒットチャートも駆けあがった。
ドアーズが死や絶望の表現はしていたが、ジョイディヴィジョンはアルバム1枚をコンパイルしてしまった。
ロックの表現としてはピストルズがイライラや怒り、破壊を新しい表現として加えた。
対して、
ジョイディヴィジョンが絶望、鬱、孤独、を加えた。
サウンド的には
彼らはドイツの暗さやインダストリアル感を意識していた。
単調で人間らしさ、感情を失ったように刻み続けるドラム。突然に衝動的になるようなコントロールを失ったようなギター。とりつかれたように白目で歌うようなイアンの歌。
元々、ワルシャワというバンド名はデビットボウイの名作ロウの挿入曲。
ロウといえばベルリン三部作でありブライアンイーノが作ったドイツの暗さ、曇り感、インダストリアル感が表現されている。
そんなものがジョイディヴィジョンの根底に流れている。
ポストパンクの流れとリンクし、後年のアーティストに大きな影響を与えることとなる。
暗い音楽は市民権を得た。
トラッシュキャンシナトラズ CAKE
1990年にリリース。
もしかしたら彼らは天然かもしれない。
だから聞く側も純粋な気持ちで聞かないと物足りなく感じてしまうのかも。
90年代のロックって60〜80年代のフェイクで確信犯的な外しや純粋ではない狙いが見栄隠れする。だから聞く側も音楽以外の周辺にある空気を感じる嗅覚を要求されたり。
それが楽しかったり。仲間意識が芽生えたり。
でもそれって音楽なの?
彼らは純粋に音楽を奏でいるだけなのかもしれない。誰が聞いても感動したり、口ずさみたくなるような。
そんなアルバムが90年代に出ていたんだ。
ライド NO WHERE
1990年10月にリリースされたRIDEのファーストアルバムである。
彼らに触れるときに必ず最初に触れなければならないのが、シューゲイザーと言う音楽ジャンルである。
恥ずかしながら、1990年にこのジャンルをリアルタイムで押さえることができなかった。
よってこのアルバムも今さらながら初めて聞きました。
このアルバムは、切ないメロディと轟音ギターの配合がほどよくて大変に心地よい。
曲も良くて何度も聞いてしまう。
スミス、ストーンローゼズなどの影響も強く感じることができる。
マイブラのラブレスよりも一曲一曲がはっきりわかる。
アルバムジャケットも秀逸。
このアルバムが持つ静けさと力強さが上手く表現されたジャケットです。
ハノイロックス 燃えるロンドンナイト
パイプラインからはじまる印象的なオープニング。
荒々しい演奏はバッドボーイズロックンロールとしては最高のライヴです。
ハノイはデビュー当時、日本で最初に火がつきました。でもその人気は音楽性ではなく、マイケルモンローのルックスに女性が飛びつきビンナップバンドとしての人気でした。しかし、ミステリーシティあたりから英国で人気がじわじわと上がりだすと日本でもロックンロール好きの硬派な洋楽ファンから評価が上がり出します。
そんな時に出たのがこのライブ盤です。
その後、
アップラウンドベントのCCRカバーで大ブレイクしました。
このCD、
選曲はハノイのベストアルバムといえる選曲です。18曲捨て曲なし。
カバー曲はパイプライン以外に
アリスクーパー、ストゥージーズ、ヤードバーズとかっこいいカバー曲のツボが押さえられています。
蚤の市で見つけたハノイTシャツ。
フィンランドのカラオケバーは、店名がロックンロール
kissがツアーで来るらしく、こんなプロモーションまでやってました。