軽音楽をあなたに

ジャンルにこだわることなくこれまで聞き逃してしまった音楽を改めて拾い上げる。抜けていたパズルのピースを埋めるような。

ポールウェラー  ワイルドウッド


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 スタンリーロードは、出た当時から名盤と言われていたこともあり、すぐに入手してよく聴きました。20年経った今でも愛聴しています。そして年を重ねてわかったことは、聞き手がいろんな音楽を吸収した上でその深さがわかる、文脈のある音楽だと言う事がわかりました。ポールウェラーがどのようにしてこのスタイルにたどりついたのか。布石は前作にあると思って今さらながらワイルドウッドに遡ることにしました。そしてこのアルバムを入手へと至ったのです。ワイルドウッドとファーストアルバムとの違いはブレンダンリンチがコーディネートしたオーシャンカラーシーンのギタリストであるスティーヴクラドックが参加していること。スティーヴのギターの音色とフレーズのセンスは素晴らしく、彼こそウェラーの進むべき方向性をはっきりと定めた重要なキーパーソンだったのではと思います。ザクザクと骨太なギターはワイルドなだけでなく、一歩引きつつ、洒落たセンスをさりげなく披露する様はまさに英国紳士的で粋な振る舞いを感じます。スティーヴクラドッグの存在をしっかりと認識することができて彼にもとても興味を持ちました。そしてスタンリーロード〜ヘビーソウルと彼のギターはどんどんと音の要となっていきます。又、スタンリーロードではスタカン的なものはあまり感じられませんが、ワイルドウッドでは時折、スタカン風なフレーズやメロディも出てきています。そんなところもなんとなくいいです。ポールウェラーはやはりかっこいい。そしてこのアルバムジャケットもかっこいい。