軽音楽をあなたに

ジャンルにこだわることなくこれまで聞き逃してしまった音楽を改めて拾い上げる。抜けていたパズルのピースを埋めるような。

ジョイディヴィジョン CLOSER


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 1980年5月にイアンカーティスは自殺し、追いかけるように7月にリリース。全英6位まで駆けあがった。当時はイアンの死を商売に利用したのではないかなどメディアから批判がでるくらいであった。ジャケットデザイン、アルバムタイトルも彼の死を連想させるものだった。
このアルバムは日本でも人気があり、リリースから数年経って不動のポジションを確立した。
 早くからジョイディヴィジョンは日本で人気があった。
この暗さをロックの表現として認識した日本のリスナーはやはり優秀なロックの理解者であるとつくづく思います。

絶望感や孤独、死をここまで表現したロックがなかったから新しい表現だった。
そしてその表現はポストパンクにふさわしかったし、新しいことに寛容的でしかも、求められていた時代だけにヒットチャートも駆けあがった。

ドアーズが死や絶望の表現はしていたが、ジョイディヴィジョンはアルバム1枚をコンパイルしてしまった。

ロックの表現としてはピストルズがイライラや怒り、破壊を新しい表現として加えた。
対して、
ジョイディヴィジョンが絶望、鬱、孤独、を加えた。
サウンド的には
彼らはドイツの暗さやインダストリアル感を意識していた。

単調で人間らしさ、感情を失ったように刻み続けるドラム。突然に衝動的になるようなコントロールを失ったようなギター。とりつかれたように白目で歌うようなイアンの歌。

元々、ワルシャワというバンド名はデビットボウイの名作ロウの挿入曲。
ロウといえばベルリン三部作でありブライアンイーノが作ったドイツの暗さ、曇り感、インダストリアル感が表現されている。
そんなものがジョイディヴィジョンの根底に流れている。

ストパンクの流れとリンクし、後年のアーティストに大きな影響を与えることとなる。

暗い音楽は市民権を得た。