軽音楽をあなたに

ジャンルにこだわることなくこれまで聞き逃してしまった音楽を改めて拾い上げる。抜けていたパズルのピースを埋めるような。

はちみつぱい/センチメンタル通り

 

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 1973年リリース。邦楽ロックの名盤として名高いが、初めて聞くこととなる。最初に感じた事は"はっぴいえんど"の弟分にして意識としてはさらにいいアルバムを作ろうとしている事がわかります。ここで聞ける完成度の高さは恐るべき出来上がりです。バンドメンバーにバイオリン奏者、スチールペダルなどが加わるとバンドから楽団に出世して、サウンドスケールがぐっとあがります。エンジニアは、16チャンネルマルチミキシングの先駆者である吉野金次に依頼するとはっぴいえんどとかぶるため、あえて避けて梅津達男へ。

完成度でいえば、はっぴいえんどの風街ろまんに肩を並べるアルバムと言えます。鈴木慶一はっぴいえんどにサイドギタリストで参加したことが過去にあり、自分はパーマネントなメンバーになったと思っていたそうですが、バンド参加は、1回限りだったそうです。そんなことからも、鈴木慶一は、並々ならぬはっぴいえんどへの意識はかなりあったと思われます。さて、アルバムの中を構成している曲ですが、1曲目を飾る"塀の上から"。名曲からスタートします。
 これ以上にないくらいにゆるやかなグルーヴでなんというか不健康ではないアシッド感があります。ザバンドなどの影響を強く受け、”MUSIC FROM THE BIG PINK"のような厳かなムードが漂い、ファーストアルバムからすでにベテランの仕事をしているところはそれぞれのメンバーが色々なスタジオワークに参加してきたことでキャリアが培われているということの証といえます。やはり世間一般的に名盤と呼ばれて久しいものは
外れがないということは確かです。